日本膵・胆管合流異常研究会

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会長挨拶

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日本膵・胆管合流異常研究会会長 仁尾正記

 日本膵・胆管合流異常研究会のホームページをご覧いただき有難うございます。

 本研究会は、膵・胆管合流異常及びこれに関連する病態の基礎的、臨床的、疫学的諸問題を研究することを目的とする学術団体で、この目的に賛同する施設会員、個人会員及び賛助会員によって構成されております。
 以下に本研究会の概要をご紹介いたします。

【本研究会の始まりと名称】

 本研究会は、1978年、第15回日本小児外科学会学術集会開催時に、徳島大学の故古味信彦教授の主催で行われた「膵管胆道合流異常の診断基準検討会」を前身として発足いたしました。1982年の第5回までは日本小児外科学会の「夜の会」の形でこの検討会が開催され、翌年の第6回からは、日本小児外科学会から独立し、「日本膵管胆道合流異常研究会」として開催されました。そして、2007年の高松英夫教授主催の第30回研究会より、「日本膵・胆管合流異常研究会」と名称が改められて現在に至っております。

【本研究会のあゆみ】

 本研究会のこれまでの歩みをごく簡単にご紹介します。
 本研究会の構成メンバーは、当初小児外科医が中心でしたが、その後、外科・内科、内視鏡や放射線、病理学等の医師・研究者が加わり、幅広い検討が行われる会になりました。
 「診断基準検討会」として始まった本研究会ですが、1983年に戸谷拓二委員長の元で膵・胆管合流異常の診断基準検討委員会が発足し、1987年に最初の診断基準が提唱されました。この診断基準は1990年に改定が行われ、その後23年を経て現行の膵・胆管合流異常診断基準2013が作成されております。
 1990年より、本研究会は膵・胆管合流異常症例登録を開始し、既に30年以上継続しており、あらゆる側面の疫学データが蓄積されております。
 1997年に本研究会が20周年を迎えるにあたり、20年間の研究の成果のまとめが古味信彦教授の監修と船曳孝彦教授の編集により「膵・胆管合流異常-そのConsensusとControversy」として発刊されました。
 2010年に、神澤輝実委員長の下、日本胆道学会と合同で、膵・胆管合流異常診療ガイドライン作成委員会が設置され、2012年に初めてのガイドラインが発刊されました。
 膵・胆管合流異常が原因となって発生する先天性胆道拡張症が、2012年より継続して厚生労働科研難病対策政策研究の対象となり、本研究会が中心となって、先天性胆道拡張症の診断基準及び診断・治療ガイドラインの作成、重症度分類策定などを行って参りました。この疾患は小児期に発症する例が多いものの、全生涯にわたってさまざまな症状が生じることがわかってきており、ここで行われている調査研究により成人期の諸問題が明確になることで、この疾患の指定難病認定への道が開かれるものと考えております。
 2017年に本研究会は40周年を迎え、金子健一郎委員長の下で編集委員会が組織されて、20周年記念誌発刊以降の20年間の研究のコンセンサスがまとめられ、「エピソードで綴る膵・胆管合流異常の40年」として発刊されました。

【本研究会の役割と課題】

 本研究会では、診断基準の検討に始まり、多方面にわたる研究を進め、エビデンスを創出して参りました。個々の研究成果を診療に活かし、また診療ガイドライン等、本研究会としての多くの成果物を産み出すことが、治療成績の向上と、小児期発症の患者さんのスムースなトランジションや幅広い年齢層にわたるフォローアップ体制の強化にもつながっているのみならず、医療政策に関わる資料の提供という観点でも貢献してきております。
 一方で、膵・胆管合流異常の発生機序の詳細や胆道発癌のメカニズムの解明及び治療・管理方法など、未解決の問題が少なくないことも事実です。
 安藤久實元会長が本研究会の課題とされた事柄に、1)先天性胆道拡張症を難病指定にすること、2)「膵・胆管合流異常の型分類」を完成させること、3)登録症例の追跡調査を行い治療後の長期予後の実態を明らかにすることで各種治療法の妥当性の検証を行うこと、4)本研究会のアカデミックな活動を広報し、より多くの医療者に会員となって頂き、登録症例数の増加を図るという目標に向かっての活動を継続することなどがあり、また、藤井秀樹前会長が、5)「膵・胆管合流異常診療ガイドライン」を改定すること、及び、6)この分野特有の学術用語を適正化することを揚げておられますが、これらはいずれも道半ばといってよい状況です。また、藤井前会長の「膵・胆管合流異常は、若い先生方には魅力ある基礎研究、臨床研究の対象が数多くある分野と考えます。先天性胆道拡張症、膵・胆管合流異常という非常に特殊な分野を対象に、黎明期から現在まで世界をリードしてまいりました本研究会とともに、この分野に新風を吹き込んでいただければ幸いです。」という言葉にも全く同感です。

【本研究会の将来】

 さて、これらの課題に対応しつつ、本研究会が向かうべき方向の決定に重要な一つの手がかりを与えてくれるのは、症例登録制度と関連学会との連携や多施設共同による調査研究の推進にあるように思っております。膵・胆管合流異常は希少な病態ですので、個々の施設の経験をエビデンスにつなげることは難しく、こういった登録制度や共同研究の意義は極めて高いものです。症例登録の毎年の蓄積をエネルギーとしつつ、登録制度と共同研究の枠組みをさらにアジアから世界に広げることで、この病態に関わる諸問題を克服し、本研究会が世界に大きく貢献することを目指しております。

 皆様には、本研究会の大きな目標の達成に向け、ご理解とご協力をいただきますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

2022年9月 
日本膵・胆管合流異常研究会会長 仁尾 正記